組織をデザインする 任せ方編 - 歯科医院経営講座~次のステップを目指す歯科医師のための~

組織をデザインする 任せ方編

何故、任せることが大切なのか?

組織デザインの最後は
「任せて育てる」です。


特に若い院長は
「自分でやった方が早い」という
考えに陥ってしまいます。

何故任せられないのかといえば、
スタッフよりも自分が出来てしまうからであり、
スタッフに頼みにくいからでしょう。

また根っこにあるのが
自己愛や恐怖心です。


「院長、すごーい」と言われることが
快感であったり、

売上やクライアントからの評判が
下がることを恐れているのです。

医院の組織化は成果を上げるための手段であり、
組織自体をつくることが目的ではありません。


成果を上げるために大切なことは、
スタッフの強みを発揮させること
です。

院長の手足として指示のままに動かして
成果を出せるのは、

歯科診療が今よりももっと
シンプルで労働者が我慢強かった
1980年代ごろまでなら可能だったかも知れません。

しかし今日のように
歯科医院スタッフの知的労働性や
コミュニケーション力が求められる状況の中では、

院長が全てを指示することは不可能であり、
スタッフが自分で判断しなければいけない
局面が増えています。

組織は経営者である院長と
違った強みを持っている人材に
その強みを発揮させ、

チームとして成果を
上げていくために存在します。

院長のコピーを量産するために
あるのではないのです。


正直に申し上げると、
私が経営者になって

最初の数年間は部下の弱みは
よく見えていたものの、
強みがほとんど見えていませんでした。

ですから自分のコピーになれるような
社員をつくることが正しい
とさえ思っておりました。

貴方も「自分がもう一人いたら」と
思われたことはありませんか?

それは不可能なことですし、
仮に可能だとしても、

同じ強みをもった人間ばかりでは、
組織の弱いところを補完できず、

チームとしての仕事ぶりで
良い成果を上げることは出来ません。

そのような組織は環境変化に弱く
経営者の加齢とともに衰退していきます。

任せることによるメリットの本質を
考えてみましょう。


まずはスタッフのスキルが成長します。

そしてそれ以上に
仕事に対する考え方が成長し、

組織人としての自覚や
リーダーシップが育まれます。

そして任せることで
院長は時間にゆとりが生まれます。

更にここが最大のメリットなのですが、
院長が上司として成長します。

自分への賞賛よりも
スタッフの成長を喜べるようになり、

多少のミスが気にならなくなります。

そういう組織はスタッフがミスを恐れずに
どんどん成長していきます。

経営学の伝説であるドラッカー博士は

どれだけ大きな成果が出ても
従業員が生き生きと働けていなければ
その組織は意味が無い

ということを説いています。

組織の存在価値は
成果を出すことと、
スタッフが生き生き働いていることの
両輪なのです。

任せるコツ

時々院長の中で
「放任」「任せる」の違いを
理解されていない方が
いらっしゃいます。

「放任」は院長が楽をしたいという
気持ちから生じています。

だからスタッフの現有能力にフォーカスし、
失敗しない範囲しか任せません。

すると人は育ちません。

それどころか「私に仕事を振りやがった」と
スタッフから恨まれます。

一方で「任せる」は
スタッフを育てたいという気持ちが出発点です。

目指すべき組織風土のところでも
お伝えしましたが、

「任せる」ということは
「失敗させる権利を与えること」
です。

挑戦と失敗の経験を積ませるのが
スタッフへの報酬であり、
院長の仕事なのです。

近隣歯科医院の院長でスタッフを信じて、
どんどん任せる方がいたとしたら
脅威だとは思いませんか?

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ぜひご覧ください!

院長、幹部、一般スタッフの本当の役割を知ろう!

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院長、幹部、一般スタッフの本当の役割を知ろう!

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