孤独になって決断することを恐れない - 歯科医院経営講座~次のステップを目指す歯科医師のための~

孤独になって決断することを恐れない

何か決めごとをするときにどう決めるか?

何か決めごとをするときに、
「スタッフがOKだったら」、
「重要な決断は従業員に相談して一緒に決める」、
「従業員の反対意見に耳を傾けるべきだ」
という人がいます。

経営者である院長が
このような意見に共感を覚えると、
組織が上手く行きません。

「組織化とはスタッフ達の意見も
どんどん取り入れて行くことなのではないか」
と思われるかもしれません。

でもそれで上手く行くのは、
大企業のように本当に優秀な人材が
ひしめく組織だけです。

従業員の意見を参考にするのは
良いでしょうが、

最後は院長が経営者として、
孤独に決断しないといけません

従業員が困っていても助けもしない、
人付き合いも悪い、
とっつきにくく気難しく、
わがままなくせに多くの人を育てる、

そんな人が本当のリーダーに多いということを、
経営の神様であるドラッカーも述べています。

組織は人気投票の場ではありませんし、
院長は人気者である必要はありません。

そもそも経営は、
従業員のためになることだけを行っていては、
かならず行き詰まります。

経営者の愛は従業員よりも
顧客を優先させるべきであり、
経営は長期視点で考える必要があります。

ですから経営者にとって
良い決断、大義は、
意識の低い従業員から見たら
時には非情に映ることもあります

一方で従業員は目先のことに
目が行きがちです。

今日があるように
明日もあって欲しいというのが
大半の従業員の心情です。

そもそも、院長が新しいことを始めようとすると、
従業員は多少の不満は持つものです。

そんな場合に院長が
いちいちスタッフに意見を求め、
反対意見を説得して回っていたら、
変化に対応する経営は出来ません。

緊張感のない組織や
緩い人間関係を作らない

スタッフに辞められたら
困るという意識を持つと、

ことさら「皆でがんばろう」などと
口に出しがちです。

しかし院長がこういう言葉を
口に出してしまうと、

スタッフは院長が思う以上に
「自分たちがいなければ
この医院はやっていけない」と思います。

そしてこの意識が
「院長も私たちも同じ立場」という
誤った考えを蔓延させます。

「スタッフに嫌われたくない」
「スタッフに辞められては困る」
などと理由をつけて、

面倒を避けていると、
いつまでたっても院長が頑張った分しか
結果の出ない組織から抜け出ることができません。

院長の考えに最も反対するのが、
No.2や古参スタッフだったりします。

「そうだよね。院長あんなこと言っているけど、
間違っているよね。

でもしょうがないから一応やろうよ」みたいな。

院長にも、同僚にも嫌われたくなくて、
自分の居場所を確保することが
重要だと思っている面従腹背スタッフが
繁殖すると、ますます組織が蝕まれます。

経営者として
リスクを背負って開業した院長は、

成長の過程で
危機感の感性が育っていきます。

経営者としても
経験を積んでいきます。

しかし、ずっと以前から
在籍しているスタッフにとっては、

開業当初の頼りない院長として
いまだに映っているのかもしれません。

危機感も院長ほどには無いでしょう。
この意識の差にやがて院長は
孤独感で一杯になり、
従業員を信用できなくなっていきます。

私がお伝えしたいことは
専制君主のような経営が
大切ということではありません。

古参の従業員を信用するな
ということでもありません。

院長が経営者とは何かという役割を理解し、
それを従業員にも
分かってもらうようにしていかなければ、

従業員は間違った期待感を
院長に求めてしまう
ということです。

例えば採用面接の時に、
応募者に「どのような組織風土が理想か?」
と尋ねると、
「一体感」とか「風通しの良い組織」
という答えがあります。

よい組織をつくっていくためには、
スタッフに対して
協力的になってもらう必要があります。

しかし院長が「一体感」や「平等」という名のもとに
緊張感のない組織や
緩い人間関係を構築することとは別の話です。

これも経営者の定義、組織の定義が
ズレているためです。

組織化できない最大の理由は、
経営者が孤独感や虚無感を埋めるために、
従業員を自分に依存させたいから、
自分も従業員に依存したいから

といわれています。

孤独になって決断しないと、
上手く行かないときに、
従業員のせいにしたり、
立地のせいにしたり、
景気のせいにしたり、
誰かに責任を押し付け、

自分は悪くないという
自己防衛の塊のような
経営者になってしまいます。

だいたい成功するプランというのは
反対者が多いものです。

皆が賛成するプランは
保守的すぎて上手く行きません。

心理学では、
自信が無い人、鬱の傾向がある人は、
決断ができない人だそうです。

人は自分で決断するからこそ、
例えすぐに結果がでなくても、
頑張り続けることができます。

いつも元気な院長でいたいのであれば、
孤独になって決断することが大切です。

スタッフと一緒に決めたとしても、
最終的な責任が取れるのは院長だけです。

逆に責任をとれるからこそ独断ができるのです。

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